【mac版】OBSでDiscordとゲーム音を別録りしてPremiereProにも対応

【mac版】OBSでDiscordとゲーム音を別録りしてPremiereProにも対応

Among Usのプレイ動画を録画するためにOBSを使っているのですが、Discoordのボイチャとゲーム音、そして自分のマイク音を分けて収録したいなと思いました。

検索してみると、だいたいミキサーを使って入出力を設定することと、OBS側でトラックを分ける設定をすることなどが出てくるのですが、自分のやりたいことにドンピシャで当てはまる記事がすぐに見つかりませんでした。
人から教えてもらったりもしたのですが、どちらも結論がだいたい「mkv形式で録画すればOK」ってことでした。しかし残念ながらPremiereProだとmkv形式のファイルは認識してくれません。

その辺りも含めて、もう「macユーザーはこれやっとけばどうにかなる」というのをまとめてしまいたいと思います。

ミキサーに関しては、もともとデスクトップ音声を拾いながらヘッドセットで自分も同時に音を聞けるようにするために使っていました。
これまではSoundFlowerLadioCastを使用していましたが、SoundFlowerの更新が止まっているということと、M1チップ搭載モデルのmacではSoundFlowerは使用できないということなので、この際ですからBlackHoleに鞍替えしちゃいます。

Discordとゲーム音を分けるためにBlackHoleを準備する

BlackHoleは、こちらのサイトからダウンロードする必要があります。

ちょっと面倒ですが、メールアドレスと氏名を登録します。
メールが届きますのでそこから進むとダウンロードができます。
BlackHoleには2chと16chが用意されています。
どちらもダウンロードし、インストールしておきます。

ゲーム音(デスクトップ音声)をOBSで拾う設定

macのシステム環境設定

BlackHoleをインストールできたら、

システム環境設定 > サウンド設定 > 出力 > BlackHole 2ch

を選択してください。

16chだとダメっていうわけではありません。
このあとの設定で選んだ方に合わせてください。
ここでは、PCのデスクトップ音声、つまりAmongUsのゲーム音をどこから流すか、という設定をしています。

OBSの設定

OBS側では、このBlackHole 2chの音声を拾います。

設定 > 音声 > グローバル音声デバイス > デスクトップ音声 > BlackHole 2ch

と設定します。

Discordのボイスチャット音声をOBSで拾う設定

Discordの設定

次に、Discordのボイスチャットの設定をしていきます。
何もしないと、Dsiscordの音声もPCから出てくるものなので、macのシステムのデフォルト(BlackHole 2ch)にしていると「デスクトップ音声」に混ざってしまいます。
そこで、Discordから発せられる音声をmacのシステムデフォルトとは別の領域に流してあげる必要があります。

設定 > アプリの設定 > 音声・ビデオ

の画面で設定します。

一番上の「音声設定」を見ます。
「入力デバイス」は、自分がDiscordに向かって自分の声を入力するデバイス、つまりマイクです。
私の場合はヘッドセットについているマイクを使用するので、画像では「外部マイク」となっています。

「出力デバイス」の方が、Discordから流れる音声、つまりボイスチャットの相手の音声や、DiscordのSEなどです。
ここで「BlackHole 16ch」を選びます。
こうすると、Discordの音声はゲーム音とは別のところに流れるようになるので、OBS側でそれを個別に拾うことになります。

OBSの設定

PCのアプリから出る音だからといってデスクトップ音声にする必要はなく、マイクに入力しちゃえばいいじゃんって結論に達しました。

設定 > 音声 > グローバル音声デバイス > マイク音声 2 > BlackHole 16ch

なぜ「デスクトップ音声 2」にしなかったかというと、デスクトップ音声として扱うためにはDiscordの音声がシステムの音声出力部分に流れていないといけないのですが、「BlackHole 2ch」に流してしまうと、ほかのデスクトップ音声(ゲーム音)と混ざってしまうからです。
先ほど説明した、Discordの設定でデフォルト(システムの設定している音声出力)に出力しているのと同じ状態ですね。

「マイク音声」は自分のマイクの音声が直接OBSで録音されるように、「外部マイク」にしました。
これでマイクに向かって自分がしゃべると、DiscordはDiscord自身の設定で外部マイクから音を拾い、OBSはOBS自身の設定で外部マイクから音を拾う、という状態になっています。

もしどちらかの設定が間違っていると、別のマイクから音を拾ったり、なんのマイクも設定されていないという状態になります。
たとえばDiscordでは相手には声が聞こえていて会話できているのに、OBSでは声が入っていなかった!ということになってしまうので注意が必要です。

OBSで音声をテスト

さて、ここまでの設定で、OBSの「音声ミキサー」には「デスクトップ音声」「マイク音声」「マイク音声 2」が表示されていると思います。
ゲーム音を流しながらマイクで喋るところまではテストできると思います。

Discordの音声が別のトラックで録れているかどうかのテストですが、ボイチャで人に喋ってもらう必要はありません。

さきほどの「音声・ビデオ」の設定画面の中で、自分のボイスが返ってくる「マイクテスト」が可能です。ここで返ってくる音声はDiscordから発生する音ですから、他の人のボイチャ音声と同様に、Discordの出力音声として扱われます。

マイクで直接拾っている自分の声と、Discordのマイクテストから返ってくる自分の声にはタイムラグがあるので、OBSの音声ミキサーを見て、インジケータが振れるタイミングが異なれば、それはマイク音声とDiscord音声が別で拾えているということになります。

OBSで録画するときの設定

次に、OBSでゲーム画面を録画する際に、これらの音声を分けて録音するための設定をします。

まずは音声ミキサーパネルのいずれかの音声の設定(歯車マーク)から、「オーディオの詳細プロパティ」を選択します。

設定画面の右側に「トラック」を選択するチェックボックスがあります。
デスクトップ音声やマイク1、マイク2を、それぞれトラック1、2、と個別に録音するように振り分けます。画像では、念のためトラック4にすべてまとめて出力して録音する設定にしています。

次に、OBSの設定から

出力 > 出力モード「詳細」 > 「録画」タブ

を表示します。
この画面の「音声トラック」で対象のトラックをすべてチェックします。

これでトラックを分けて録音することが可能になりました。

ついでに、

出力 > 出力モード「基本」

の画面に戻り、「録画フォーマット」(ファイル形式)をmp4にします。
mkvにしなくてもこれでトラックを分けて録音しmp4で保存することが可能です。

実際に録画したmp4ファイルをPremiereProで開くと、このようにトラックが分かれています。

ヘッドフォンで同時に音声を聴くための設定

OBSで録画する際に音声を分けることはできましたが、プレイ中にヘッドセットにゲーム音声・Discord音声を同時に流したいというわけで、次はミキサーを設定します。

LadioCastをAppStoreからインストールしておきます。

LadioCastを起動して画像のように設定します。

「BlackHole 2ch」と「BlackHole 16ch」の音声を入力し、それを「出力メイン」に出力します。
出力メインは今回の場合は外部ヘッドフォンですが、これは各々で出力したいスピーカーを設定しましょう。

自分がマイクで喋っている声も同時に返りがほしい場合は、入力3に外部マイクを設定し、それもメインの外部ヘッドフォンに出力すればOKです。

入力インジケータの「1」「2」の意味

入力のインジケータの左側にある「1」「2」はステレオの場合の出力で、1(左の音)をLに、2(右の音)をRに出力するようになっています。これを切り替えて逆にしたり、片方だけ出力したりということが可能です。
ボーカルやバックバンドを左右に振ってるタイプの楽曲なんかで試すと分かりやすいと思います。

たとえば、そう、ポルノグラフィティの「Twilight,トワイライト」などです。
さあ聴いて!!!
右だけにして聴いてみて!!!

まとめ

ゲーム実況とかゲーム音の同時出力みたいなのを調べると、SoundFlowerとLadioCastの説明がひとまとまりで出てくることが多いため、あまり意味がわかっていないまま使っていましたが…
実際自分で試行錯誤してみて、そもそもSoundFlower(BlackHole)とLadioCastの役割はまったく別のものだということが理解できました。
LadioCastがなくてもOBSでトラックをわけて録音すること自体は可能ということですね。そのへんがよくわかっていなかった。

PremiereProで編集する際も、自分のマイクとゲーム音声やDiscord音声が切り離されることで、クロマノイズ除去とかハードリミッターを個別にかけることができて調整も楽になりました。

Among Usのゲーム録画関連でDiscord StreamKit OverlayのCSSカスタマイズについても記事を書いてるのでよかったらこちらもご覧ください。