ゲーム実況のマイク音が小さくてノイズもひどいからH4n Pro使ってなんとかする

ゲーム実況のマイク音が小さくてノイズもひどいからH4n Pro使ってなんとかする

前回、MacBookProでDiscord通話するときにマイクのボリュームが限界なのでLadioCast使ってどうにかするっていう解決策を書きました。

これで自分の声が大きくなって、相手の配信でもきちんと私の発言が聞こえるようになり、めでたしめでたしかと思いきや、さらなる問題がありました。

そう、ノイズです。

当たり前ですが問答無用でマイクから入る音を増幅して送るわけなので、ノイズも問答無用で大きくなります。

マイクの感度を高くしたら小さい音も拾ってしまい、拾った音をさらにボリュームアップ。
Discordのノイズ抑制も使っていますが、面白いことに自分のヘッドセットから漏れる相手の音声も拾って大きくしてしまうため、自分が喋っていない時も、他人の発話に合わせて自分のアバターが断続的にspeaking状態になります。

私はAmongUsの録画をするときにDiscordをオーバーレイ表示しており、話してる人がぴょこぴょこするアニメーションを実装しているので、めちゃくちゃ気になります。

ヘッドセットのスピーカー部とマイクの距離は変えることができないので、マイクが通話音声を拾ってしまう問題はどうしようもありません。

マイクの感度を高めたり、マイクから受けられる音の範囲を広くする方法、そしてその音をただ増幅する方法ではノイズがうるさくてエアコンもつけられません。
なんならMacBookProを使ってる都合上、ファンの音も拾いまくります。
デスクトップPCならディスプレイのみデスクに残し、あとは足元に置いて距離をとることができますが、私はこたつでMacBookProです。
MacBookProと私はヘッドセットで繋がれており、マイクとMacBookProとの距離も一定です。
キーボードの打鍵音もガタガタガタガタうるさいです。

自分の発話しか聞こえない程度に小さめに拾い、拾えた音だけを増幅して送りたい。

そうなるともうヘッドセットでは無理なのでは…

そこでたまたま持っていたハンディーレコーダー、「H4n Proの出番です。

とにかくすごい「H4n Pro」はオーディオインターフェース機能つき

なんでこんなもんをたまたま持っていたかというと、以前書いたようにカラオケが趣味なんですけども、

この記事を書いた時はまさかほんとうに

アルコール除菌シート常備して歌った後は拭くのがマナー

になる時代がこんなにすぐに訪れることになるとは思っていませんでしたね…

ていうかマナー以前にまずカラオケボックスが休業しちゃって全然カラオケ行けてないですクッソー
2022年はもっとカラオケ行きたい!
実はこの記事書いた後に結局SM58も買ったのに使う機会があまりないままでほんと悲しい。

あっ、脱線しすぎましたね。

それでカラオケで歌ってるときって自分の音程がどのくらい外れてるかとかを客観的に捉えるのが難しくて、録音したいという目的でレコーダーを探していてH4n Proに辿り着きました。
また、webデザイナーという職業上「コーポレートサイトの採用ページに掲載する社員インタビューの取材自体を行う」という機会がときどきあって、そのときにメモがわりにこのレコーダーを使ったりしています。
(取材目的ならもっと小さいICレコーダーの方が便利なのでそういう目的でしか使わない人にはおすすめしませんが)

この手のレコーダーではタスカムの製品がYouTubeなどでも結構紹介されていて、そっちを使ってる人が多いイメージがあります。
H4nのレビューや使い方の動画を探してもなかなか見つかりませんでした。

  • XYステレオマイクで空間録音が簡単にできる
  • オーディオインターフェースとして使える(macに繋いでマイク入力できる)
  • XLR/TRSで手持ちの有線ダイナミックマイクを使える
  • USB給電できる(USBのみでオーディオインターフェースとして使える)
  • 乾電池/ACアダプタどちらでも使える
  • ファンタム電源でコンデンサーマイクも使える
  • ローカットやプリアンプなどのフィルタやエフェクトが使える
  • ディスプレイもついててボリュームなどを数値で統一できる
  • うっかり物理つまみギュルーンが起きない
  • カスタマイズしたエフェクトもたくさん保存できる

とその他もろもろ、まー多機能ですごい。
楽器をやらない私にはまったくいらない機能ばっかりめちゃくちゃついてる。
でも欲しいので買った。

ZOOM ズーム - ハンディーレコーダー H4n Pro BLK - All Black Edition - + アクセサリーパッケージ APH-4n Pro セット

私が買ったのはブラックエディションで見た目もかっこいい。
デザインがまとまってていい。

でも録音機能しか使ってねえ。

そんな宝の持ち腐れだったこいつを、いよいよ使うぜ!

そもそもこいつは「ハンディーレコーダー」であり、私の当初の目的もデバイス単体での録音です。
ミキサー、オーディオインターフェースだけが欲しい人は専用のを買ったら良いと思います。
だいたいYouTuberとかに人気なオーディオインターフェースは、ヤマハの「AG03」なんかが圧倒的なのかなと思います。



初音ミクモデルなんてあったのかちょっと欲しいじゃん…

ですが私は「H4n Pro」をたまたま持っているのでそっちを使います。

Discordの通話とOBSの録画で使うのに必要な機能

実はH4n Proだとエフェクトを使わなくても単体でローカット機能があるのですが、プリアンプとハイパス/ローパス、そしてディエッサーはまとめて設定してひとつのエフェクトとして保存しておけるので、Discord用として保存しちゃいます。

説明書の85ページから、エフェクトの設定方法が書かれています。

まずなんといってもプリアンプ。
前回の記事ではLadioCastを通してボリュームを上げていましたが、そもそもマイクからmacに入力される音がもともと大きければ必要ないのです。

PRE AMPの詳細設定

ON/OFF:ON
TYPE:VO MPRE
COMP:10
DE-ESSER:10
LOW CUT:10
BASS:1dB
MIDDLE:-1dB
TREBLE:-1dB
LEVEL:100
ZNR:2

上記の設定の意味について、詳しくは以下のような感じです。

コンプレッサー(COMP)

コンプレッサーはある一定のレベル以上の大きすぎる音を圧縮してくれる機能です。
同時に、小さい音は少し底上げしてくれます。

AmongUsプレイ中って、タスクやってる間は独り言なので声が小さめだけど、議論が白熱すると声が大きくなる、みたいなことがよくあります。
小さい声が聞こえるようにボリュームを大きくしていると、大声になったときに音が割れたりします。
そこでコンプレッサーを設定しておくことで、音量のバランスを整えてくれます。

ローカット(LOW CUT)

低音域のノイズをカットしてくれるエフェクトです。

私はAmongUsプレイ中、防音室でもない普通の部屋で普通のエアコンをつけています。
(空気清浄機くらいはさすがに切っておきますが)

エアコンの心配なんかしなくても、MacBookProのファンの方がよっぽど近くでゴッファーーーーという音を立てるので、そっちの心配をしたらよろしい。

皮肉なことに、BlueStacksでAmongUsを起動し、Discordで通話しながら、OBSで録画をしてる最中ほど、とんでもなくゴッファーします。

ただでさえノイズの低減は必要不可欠です。
そのうえプリアンプでゲインアゲアゲなので、これがないとDiscordでずーっとノイズが入りっぱなしで、発話しっぱなしという状態になります。

ディエッサー(DE-ESSER)

こちらもボリュームが上がれば上がるほどうるさくなる、歯擦音の低減です。
私はサ行のときに母音の発声が小さくなりがちな癖があり、歯擦音が目立つことを気にしているので、ディエッサーをMAXにしてゴリゴリに削っておきます。

音域ごとの設定(BASS、MIDDLE、TREBLE)

低音域、中音域、高音域のブースト/カット量を調整するエフェクトです。
こればっかりは人それぞれ、女性か男性か、声が高いか低いか、声質によって調整してもらうところなので、ちょうどいいところを探してください。

私の場合は、ローカットで低音域を削りすぎると声がカッスカスになるので、BASSを1dBにして、MIDDLEとTREBLEは-1dBで少し抑えています。

ノイズリダクション(ZNR)

ZOOM独自のノイズリダクションなのでZNRらしいです。
感度を設定します。
かけすぎると声が削れてしまうので、私の場合は2でよかったです。

EFXの設定

これは圧縮のかかるコンプレッサーやリミッターのエフェクトや、ワウ効果など変調系のエフェクトをかけられる機能です。
コンプレッサーのかけかたを細かく設定したい人はこちらで調整してください。

LEVELの設定

プリアンプなどエフェクトを通したあとのレベルです。
問答無用で100にします。

このレベルを100にした状態で、本体の入力レベルを調整します。
私の場合は90にしています。(理由は後述)

ダイナミックマイクで拾える音をあえて絞る

さて、プリアンプその他エフェクトでボリュームアップ&ノイズカットした音声をmacに入力することができるようになりましたが、肝心のマイクをどうするかです。

H4n ProについているXYステレオマイクを使うこともできるのですが、集音できる範囲が広く、しかも防音室でもないただの部屋でこいつを使うと、ちょっと姿勢を変えたときの衣擦れの音やらなにやらがすべて拾えてしまいます。
性能が良すぎるのです。

AmongUsの議論と自分の独り言を収録するのに、空間の広がりや臨場感を感じる必要がまったくないのです。

当然、スタンドを使わないとノイズがめちゃくちゃ乗ってしまう上に、同じこたつの上に置いたらおそらくキーボードの打鍵の振動も拾いまくるでしょう。置き場所を作ってやらないといけません。めんどくさ。

こういうのはスタジオとか舞台とかで演奏を録音するのに使うんじゃい。
私に必要なのは、よけいな周囲の音を拾わずに、できるだけ目の前で話した自分の声だけを拾えるマイクです。
リアルな息遣いとかもいらねえ。

ということで、たまたま持っていたFIFINEのK8を使うことにします。
そもそもK8はカラオケというよりはスピーチなどの用途向けだと思うのでちょうどいいですね。
SM58も試してみましたが、個人的にはK8の方が丸まった声になる感じがして聞きやすいと思ったのでこちらにしました。
ていうかSM58はカラオケの時に使いたいから消耗したくない

完全に好みの問題なのでなんでもいいと思います。
H4n Proはコンデンサーマイクも使えるので、音質にこだわりたい方はコンデンサーマイクでもOK。
いずれにしろマイクスタンド(マイクアーム)は必要ですね。
ダイナミックマイクは単一指向性なのでマイクの後ろ側の音は拾いにくく、エアコンやファンの音、自分の出す雑音もほとんど拾いません。

ダイナミックマイクはその性質上、どうしても入力が小さくなります。
ヘッドセットのマイクもダイナミックマイクの一種で、プラグを通して小さい電力で動いているので音量が小さくなってしまいます。
コンデンサーマイクだとファンタム電源で動くので入力も大きくなります。

要するに最初からコンデンサーマイクの環境を整えれば苦労しないのです。

MacBookProと有線ヘッドセットの組み合わせが事の発端なのでこんなことになっています。
配信とかやりたい人は最初からケチらずに環境整えた方が結果的にコストかからず高音質で配信できますよ。

ダイナミックマイク使用時のH4n Proの設定

ステレオマイクではないので、MTRモードにしちゃいます。
MTRモードのときに、エフェクトが利用できるので忘れずに設定しておきます。

前述したようにダイナミックマイクは入力レベルがどうしても小さくなりますので、H4nPro自体のレベルを90にしました。
もし防音室などで腹から声出して発声自体が大きい場合にはここまで上げる必要はないと思います。
カラオケなんかだと声の大きさが圧倒的に違ってくるので30とかでもいいくらいです。

あと、カラオケに有線マイクを持ち込むような層には言うまでもないことなのですが、マイクを抜き差しするときは必ずボリュームを0に、可能な限り電源を切った状態で行いましょう。

DiscordとOBSそれぞれでH4n Proの音声を使用する設定に変更

これまでヘッドセットのマイクを使っていたため、入力機器で「外部マイク」となっていたところを「H4n」に置き換えていきます。

それから一番大事なことで、かつ知識のない素人が悩みそうなポイントとして、周波数の設定があります。

USBを使ってH4n Proをオーディオインターフェースとして接続するときにサンプリングレート44.1kHzと48kHzを選択できるのですが、たとえばここで44.1kHzを選択したとします。

その場合、macのAudioMIDI設定で、関係する入出力機器すべてを44.1kHzにする必要があります。

  • 外部マイクもしくはH4n Proなど
  • 外部ヘッドフォン
  • GroundControl 2ch
  • GroundControl 16ch
  • GroundControl 64ch

もちろん、OBSのサンプリングレートも44.1kHzにします。

これがバラバラなままマイクの電源を入れてしまうと、耳障りなノイズが発生しますので注意してください。
とくにLadioCastなどのミキサーの設定を間違って入出力をループさせてしまうと無限にノイズを大きくしていってしまうので機材と耳が死ぬ恐れがあります。
基本的に設定作業をするときはスピーカーのボリュームは小さくしておきましょう。

わりと大事なことなのですがオーディオ界隈ではあまりにも基本的すぎるせいか、「ノイズ」とかで検索しても全然この話が見つからなくて気づかず、けっこう悩みました。

私以外にもここで詰まる人がいそうなので、これだけで動画化しました。

実際のAmongUsプレイ動画の音質比較

というわけで、H4n Proのプリアンプエフェクトを使って調整したマイクでプレイしたAmongUs動画がこちらです。

この試合では死体発見時に少し声が大きくなっていますが、割れることもなく、小声のところもノイズが乗ったり声が削れることなく録れています。
これまではPremiereProで編集する際にあとから無理やりゲインを上げてそこにクロマノイズ除去をかけたりしていたのですが、この動画では最初からノイズを低減しつつ入力レベルを上げて録音しているので、PremiereProでの処理なしでもそこそこきれいに安定した音質になりました。

以前のヘッドセットのときの動画と比較すると差が歴然ですね。

OBS側のフィルタ設定やPremiereProのフィルタを併用するのももちろんOKですが、素材が悪ければそれ以上どうしようもない限界ってのもあるので、入力の時点である程度整えておくのも大事ということですね。

ちなみに半年くらい前にM1チップのiMacを買ったのですが、もしかするとそのスペックだったらヘッドセットでもちゃんとした音量になる可能性があります。
試してないけど…
とはいえ今さらノイズ入りまくるヘッドセットに戻れる気がしないので当面この環境でプレイしていこうと思います!