リリース後に見つかる誤字脱字!Webページ校正のコツ

リリース後に見つかる誤字脱字!Webページ校正のコツ

Twitterで「Web画面出力しないで校正するのつらたん・・・」っていう話題になったので、せっかくだから実務でやってた作業についてまとめておきたいと思います。

だいたいWeb制作はクライアントがいて、掲載する内容は会社や商品の紹介だったりするので、テキストで原稿をもらうことがほとんどです。フォーマットはWordだったりExcelだったりバラバラですが。

新規の制作だけでなく、運用も請け負っている場合にはMTでニュースリリースを出すこともあれば、IR情報やCSR情報などなど、月次更新でページが増えていったりします。

その作業のたびに、原稿とブラウザを交互に睨み付けて確認作業をするのはしんどい。

私はWeb制作会社に転職する以前は、一般事務で会員情報の入力業務などを行っていました。1件ずつ入力したデータを最後にプルーフ出力し、原本と照らし合わせて赤ペンチェック。間違っているところはデータを修正する、という流れ。

それを経験したあとにWeb制作を始めたら、なんていうか・・・画面を出力して赤ペン入れたくなるんですが・・・

原本が紙で、データをプルーフ出力していたときは、横に並べて見比べることができました。
Word画面と出力した紙を見比べるのはしんどいし、原稿のWordファイルまで出力して並べてチェックしたいのですが、書籍やチラシの印刷物と違ってWebサイトというのは頻繁に更新作業が発生します。
1行だけの文言修正とか。
それを毎回毎回印刷しているとコストがかかります。
紙で校正しても、結局データを修正したら再度出力・・・を繰り返すことになるので、この手順で検証作業をしている現場はほとんどないと思います。

私のいた制作会社は10年20年の間にポコポコ生まれたWeb制作会社ではなく、もともと広告代理店でDTPをやっていた会社でした。
DTPからWebをやり始めたというと「なんでもイラレでデザインしようとする」とか「Webで文字組みしようとしてナンセンス」とかいうイメージがあると思いますが、さすがにそんなことはなく、フォトショでデザインするし字詰めなんかさせられません。
そして、画面を紙で出力して校正なんてことも、していません。

大手のお客さんだと、千ページ単位のサイトになりますから、できるわけがありません。

では、どうやってミスを防ぐのか、作業手順ごとに書いていきます。

【コツ1】いきなりコーディングしない

とにかくこれに尽きます。
だいたいは原稿をもらうのでこっちで文章を書くということはほとんどないのですが、ライティングを請け負う場合でも、いきなりHTMLを書き出したりはしませんよね。
Wordなりなんなりでテキストのみの原稿を用意するはずです。

誤字脱字を防いだり、表記揺れをなくしたり、いわゆる「校正」はこの段階で行い、完成原稿を用意します。
画面のチェックはあくまでも原稿どおりになっているかの「検証」のみ行うのです。

クライアントから原稿をもらっても、制作時には、たとえば半角カナが使われているところを全角にしたり、英数字の半角全角を統一したり、機種依存文字が使われているところの表記を変えたり、あからさまな脱字を修正したりすることになりますよね。
(先にクライアントの承認を得る必要があるのか、こちらの裁量でやるのかは現場や案件次第なのでちゃんと報連相しましょうね)
その場合、制作した画面のテキストと原稿を見比べても同じではないので検証する意味がありません。

だから完成原稿を別で用意するのが大事なんです。

これはWeb制作だけじゃなく、普段のメールでもやったほうがいいです。
テキストエディタに下書きを書いて、全部書き終わってからメールにコピペします。
メールに直接書きながら推敲していると、間違っているところが目に入らないまま、ついつい勢いで送信してしまったりしますからね。

とにかく一番最後に全選択からのコピペ。

成果物となるファイルをいじる回数を極力減らすことが、作業ミスを減らすことに繋がります。

【コツ2】完成原稿の書式はコピペしやすいように整える

慣れてくるとWordで適当に書かれた書式がバラバラのテキストからでもコピペ作業できますが、めんどくさいしミスも増えるし最後のチェックも大変です。
せっかく完成原稿を用意するのですから、実際に制作する画面のコーディングルールに合うように整えておきます。

たとえばWebではテキストのインデントをつけないことも多いです。
原稿で頭に半角や全角のスペース、ときにはタブ、とバラバラなインデントがついている場合があるので、全部消しておいたりしますね。

また番号リストも「1.」とか「(1)」とかついてたりするんですが、これもCSSでつけている場合にはテキストに含まれていると邪魔でしょうがないんですよね!

私は、Wordできた原稿はまず書式をクリアしてExcelにコピペしていました。
こうするとセルを移動して行ごとにコピペしやすくなります。
コーディングするときは段落ごとにp要素にしたり、見出しはhx要素に入れたりとコピペ先が分割されることになるので、わりと有効です。

さらに、機種依存文字の変換や、英字・数字・カタカナ・スペースそれぞれに半角⇔全角を設定して一括で置換できるマクロを作っておいたので、Excelが便利でした。

クライアントから来る原稿がExcelの場合も多く、既存ページのキャプチャに対してテキストボックスで修正後の文言が入ってることもありました。
これもまたコピペしたり最後の検証がめんどくさいので、テキストボックスの文言をセルに書き出すマクロも作ってましたね。

とにかくプレーンなテキストでコピペしやすくしておく、これが作業時にも検証時にも役に立ちます。

【コツ3】検証は目視で行わない

当たり前ですが、画面と睨めっこして検証なんかしても結局誤字脱字やコピペミスを見逃すことはなくならないでしょう。
原稿が紙なら睨めっこしか方法はありませんが、せっかく完成原稿をテキストデータで用意したのですから、検証作業も便利な機能を使います。

Ctrl+F

意外とこれをやっていない人って多いのかもしれませんね。
私も先輩に教わるまでは「Web画面出力しないで校正するのつらたん・・・」でしたから。

原稿がテキストデータなんだから、それを行単位でコピーして本文を検索すれば簡単です。
コピペミスがあればすぐ発見できます。
なんせ検索にひっかかりませんからね。

この作業時にもWordのインデントや(1)、変換前の機種依存文字などなどが邪魔になるので、【コツ2】の作業が大事なんです。

【コツ4】ダブルチェック

これも当たり前すぎて書かなくてもいい気がしますが、やってない現場もあるものですから・・・
以前いた現場では、ニュースリリースなどの重要な更新のときのみダブルチェックをしていました。
作業者はもちろん自分でも確認しますが、不思議なことに作業者は自分の誤字脱字ってチェックしても目に留まらなかったりするんですよね。
必ず作業者以外の人の目でも見てもらう必要があります。

ただこのとき、チェックしてくれる人が画面を目視で確認とかしているとぜんぜん意味がないんですよね(;´Д`)

同じく、こっちがチェックするときにミスだらけで「いったいどうやってチェックしたの?」と思うことも多かったです。
つまり「検索」によるチェック方法は、周知しておかないと意味がありません。

先輩相手だと言いにくかったりもしますが、「○○さん、普段どうやってチェックしていますか?目視ですか?」と聞いてみて、こうやるといいですよ~ってのを教えてあげる必要があります。

こういうのはデザインセンスだとか勉強量の多さだとかそういうスキルとは別で、知ってるか知らないか、知らなければ思いつくか、だけなんですよね。
私は実務未経験で入った現場でデキる先輩がついてくれたのですごく助かりました。
その先輩いわく、その先輩の先輩がものすごくデキる人だったとか。

新人が伸びるかどうかは、上の人、周りの環境によっても左右されますね。
あいつは使えない、とか言ってる上司は、何をどうしたら使える人間になるのかわかってないから教育できないんですね。

まとめ

「原稿(素材)の準備」→「校正」→「制作」→「検証」→「修正」の順で作業する!

「制作」後に「校正」しない!

でも「制作」後にクライアントが「やっぱこうして」って言ってくることはあるよ!

覚悟してね!

(´ε`;)ウーン…DTP屋とWeb屋のバトルについてもいろいろ書きたくなってきました。