一人暮らしを始める人が多そうな時期&私自身が去年まったく自炊できなかった反動で自炊しまくっているこのタイミングで、せっかくなのでまとめておこうと思う。
自炊≠料理
まず勘違いして張り切ってしまいがちな今のうちに言っておく。
自炊=料理をすること、というのは大きな間違いだ!
自炊の目的にはいろいろある。
- 1食あたりの価格を抑えたい
- 栄養が偏らないようにしたい
- 食べすぎを防ぎたい
などなど。
単純に、外でランチを食べるとお金がかかる。
しかも、量が多くてもなんとなく食べきってしまう。
つい、自分の好きなメニューばかり選んでしまう。
一人暮らしをするということは家賃水道光熱費通信費被服費交際費とひたすら支出し続けることになるので、せめて食費を浮かせたい。
ここで気をつけてほしいのが、「中学生の息子がいて給食がないからお弁当を持たせなければいけない」お母さんとはちょっと事情が違うということだ。
そういうお母さんの場合、そもそも家庭で3人とか4人の食事を作る。
多めに作っておいて残りをお弁当にしても、お弁当用に1人分足して作っても、手間は同じだし使う食材の量もたいした差はない。
安い食材をまとめて買えるし、野菜も使いきれるし、調味料も大きいサイズのもので割安にできる。
ところが一人暮らしだとそうはいかない。
自炊の目的は料理をすることではなく、あくまでもコストを抑えることだ。
ときには「料理をしない」ことでコストを抑える必要がある。
冷凍食品を恥ずかしがらないこと
というわけで、4人家族のお母さんと一人暮らしではあまりにも条件が違いすぎる。
一人暮らしのお弁当は、違って当たり前。
お母さんのお弁当は、1品増やすとか隙間を埋めるために冷凍食品を使ったりするかもしれないが、一人暮らしのお弁当なら、手間を減らしたり、使い切れなくて無駄にしてしまう食材を減らしたりするために、冷凍食品の割合が多くなっても構わない。
「あるものでおかずを作る料理スキル」のアピールはまったく必要ない。
変な見栄で、手料理にしようとすれば続かなくなる。
コストを抑えたり量を抑えたりしたかったはずなのに、結局コンビニ弁当や定食屋に頼るハメになっては本末転倒。
とにかく「続かなくなること」は避けなければならない。
これが、自炊≠料理。
まずはこれを肝に銘じてほしい。
冷凍食品の場合、オムレツなら中にひき肉が入っていたり、肉だんごでも刻んだ人参や椎茸などが入っていたりする。
自分でこれを作ろうと思ったらまず数多くの材料を買ってきて、一人ですべて刻んで調理しなければいけない。
いろんな種類のおかずをたくさん作って冷凍しておけばいいと思うかもしれないが、食べきる前に冷凍ヤケで傷んでしまう。
お弁当だけでなく毎食食べればいいと思うかもしれないが、毎食冷凍しておいた同じおかずばかりだと絶対に嫌になる。
作りたてのおいしさを知っていればなおさらだ。
家では作りたてのおかずを食べて、お弁当用だけ冷凍にしよう。
肉・魚・野菜・調味料、本当のコストを知ること
生鮮食品だけでなく調味料にも同じことが言える。
IT業界の制作系は仕事の波が激しく、デスマに巻き込まれることもある。
家から片道2時間の現場に派遣されることもある。
そうなると半年、1年、と自炊できない期間が生まれることもある。
その間に、買っておいた1ℓの醤油がダメになり、サラダ油がダメになり、みりんがダメになり、冷蔵庫の中では人参から芽が生え、キャベツは黒ずみ、アスパラガスは腐ってぬめぬめしてくる。
割安だからと大きいサイズの調味料を買っておいても意味がなく、むしろ小さいサイズより初期投資額が大きい分、損した額が大きくなる。
野菜の場合、たとえば袋に大量に入った人参が1本あたり安いからといって買ったり、白菜やキャベツも1/4カットより1玉のほうが得だからといって買ったりしても、それをすべて使い切るのに時間がかかる。
時間がかかるということは、日にちが経って鮮度が落ちるということだ。
買ってから5日後にその野菜を使うとき、それは鮮度の落ちた古い野菜を、新鮮な野菜と同じ高い値段で買ってしまったのと同じことになってしまっている。
それなら、使い切れるサイズの野菜を買うとか、あれこれ材料を買わずに冷凍食品で済ませるほうが結果的に損はしない。
得をすることよりも、損をしないことを考えないと、コストを抑えることにはならない。
お弁当箱の半分以上が冷凍食品だったとしても、コンビニ飯や定食よりマシ、という心の余裕を持っておきたい。
ときにはサトウのごはんも使って良い
一人暮らしの自炊においての理念はこうだ。
- 続かなくなることを恐れよ
- 本当のコストを知れ
- コンビニ飯よりマシ
というわけで、そういえば米が足りないな、とか、重いし会社帰りに買うのツライな、とか、やべっ炊く時間がない、とか、そうなったときに手ぶらで行ってコンビニ飯(定食)を選ぶようになってはいけない。
それならたとえサトウのごはんでもいいから、お弁当を持参することを考えるべきだ。
ちなみに米の保存も一歩間違うと品質ガタガタで大量の虫に蝕まれ食べられなくなるので、一人暮らしならばやはり割安だろうと10kgを購入するわけにはいかない。
私は車も使わないので、5kgすら買わずに2kg880円の米を買っている。
それもあってサトウのごはんとの価格差はあまり気にならない。
2kgしかないと、3合分は炊飯器へ、残りは2ℓペットボトルに密閉して冷蔵庫に保管、が可能だ。
そのほかにも下記のようなサボりポイントがたくさんある。
冷凍「野菜」が大活躍
冷凍ほうれん草、冷凍かぼちゃ、冷凍いんげん、冷凍さといも…
前述のように、割安だからとたくさん買った野菜は、結果的に価格に見合わない品質になってしまうことがある。
小分けにして使ったり、長持ちさせることを考えるのであれば、むしろ最初から冷凍食品を買ったほうがいい。
可食部の量を考えると、生野菜を買うのとさほど変わらない場合もあってなかなか侮れない。
ほうれん草は意外とセブンイレブンの量:価格が優秀。
一度開封したら、ジップロックに移して保存している。
また、トマトも生で食べたいときは別として、基本的に缶詰のほうが価格に対して量が多い。
ほとんど水分の生トマトより密度が高いので、同じグラム数でも、缶のほうが栄養価が高かったりする。
パスタやハンバーグのソースに使える。
ミックスビーンズやコーンも缶詰を活用しよう。
1缶使い切れないときは、缶に入れておくと悪くなるので必ず容器に移し替えて保存すること。
サラダ油は買わなくていい
普通は大きなサラダ油を小さい容器に移して使うと思うが、容器を洗う手間がかかる。
とにかくかかる手間を減らさないとなにかと嫌になってくる。
しかも使い切れなかったりする。
おすすめは、オリーブオイルとごま油を、自分の使用頻度にあわせて中くらいのビンや小さいビンで買うこと。
オリーブオイルとごま油があれば、和洋中どれでも対応できる。
イマドキ醤油は真空パック
本当に鮮度が落ちないか?とかそんなことは気にしなくていい。
容器に移さなくてもそのまま使える、サイズが選べる、ということが大事だ。
最近は醤油以外にもポン酢なんかもあるので、多少割高に感じても活用したほうがいい。
チルド食品は狙い目
「キャベツがあればできる」回鍋肉、「ピーマンがあればできる」青椒肉絲、「豆腐があればできる」麻婆豆腐などなど、「○○の素」系は優秀だ。
少量ずつそろえるのが面倒な食材や調味料がすでに入っていて調理が簡単、しかも3人前ほどできるので、作って1食、残りをお弁当用に冷凍、とできる。
この中華系のおかずは冷凍→解凍→お弁当と段階を踏んでもおいしく食べられる。
バリエーションが増えるし、野菜をたくさん食べられるので栄養面でも助かる。
まとめ
とにかく楽であること、自炊を続けられることが一番大事だから少しサボるくらいでちょうどいい。
冷凍食品を使う自分を卑下することはない!
お弁当の見栄えを気にするなら冷凍食品でよくある、「6種類惣菜」とか、「ほうれん草のおかず6種類」を使おう。
オムレツ、たまごロール、あとはミニトマトなどと組み合わせてスペースを埋めていくと彩りも鮮やかでおいしそうに見える。
女性の場合はメインのおかず1に対して、
・「肉団子」または「唐揚げ」
・ひき肉入りオムレツ(半分に切って盛るといい)
・ほうれん草などの惣菜1種類
これらが1くらいでちょうどいい。
男性は足りなければ、メインのおかずの割合を増やせばOK。
ご飯側に漬物を添えてもいいし、ふりかけをつけてもいい。
みんな、もっと楽にお弁当箱を埋めよう。