【完成】ポルノグラフィティ狩歌のカード50枚で作詞した

【完成】ポルノグラフィティ狩歌のカード50枚で作詞した

ポルノグラフィティ狩歌のキーワード50個使って歌詞を作る

前回「ポルノグラフィティ狩歌のカードに書かれたキーワードを詰め込んで作詞すればポルノグラフィティっぽい曲ができあがる説」を証明するため、既存のシングルA面54曲の歌詞を調査しました。

このあと、キーワードの抽選〜歌詞の発表までYouTubeで動画を公開しましたので、よかったらこちらもご覧ください。

このブログでは作詞の途中経過を説明していきます。

カードをひいて決めたキーワード50個

それこそスプレッドシートにデータがあるので、ランダムで並び替えるスクリプトを作ったほうが早いのですが、私は狩歌を使って遊びたいのでアナログでやりました。

動画にあるとおり、カードをひいたらこんな感じの順序になりました。

  1. 痛み
  2. 曖昧
  3. Day(s)
  4. 何処
  5. 喜び
  6. さよなら
  7. 地下
  8. 暗い
  9. 溢れ
  10. 恋人
  11. 身体(からだ)
  12. 足りない
  13. 姿
  14. 荒野
  15. 始まり
  16. 楽園
  17. 一途
  18. 絶叫
  19. エピソード
  20. ガラクタ
  21. 迎え
  22. 少年
  23. 本気
  24. 旅立ち
  25. 100
  26. センチメンタル
  27. 逢いたくて
  28. 寂しい(さびしい・さみしい)
  29. 果て
  30. 巡る
  31. 真実
  32. 他人
  33. 温もり
  34. イメージ

使うキーワードの数を50個にした経緯

さて、調査の結果として、狩歌のキーワードは1曲あたりだいたい20個前後使用されていることがわかりました。
30個ほど使われているような曲は実際には同じキーワードの重複が多く、また、10個程度しか使われていないような曲はほぼバラードで歌詞全体が短めでした。

「ポルノグラフィティっぽい曲」のイメージは人それぞれにあると思いますが、私は岡野昭仁にしか歌えやしないブレスのできない歌が好きなので、基本的に歌詞は詰め込みたい派です。

しかし、ただ20個のキーワードを入れただけでは、残りのほとんどの部分を私が考えることになってしまい、あまりポルノグラフィティっぽい曲にならないことが懸念されます。
そこで今回は50個のキーワードを使うことにしました。
100個も用意されているキーワードのうち半分の50個も使えば、ポルノグラフィティっぽくなるに違いありません。

歌詞の長さを文字数で決める

前回の記事の最後で、「100個入れてしまえるのでは?」とか言っていましたが、100個ものワードがあると、キーワード同士を無理やり繋いでいくだけでとんでもなく長い歌詞になってしまい、既存の曲を逸脱してしまうためルールに反するのでやめました。

既存の曲で文字数の基準を決めたいところですが、サビなどで英文が使われていたり、そのサビが繰り返されるタイプの曲では自然と文字数が多くなってしまっています。
純粋に文字数だけでボリュームを比較するのが難しいので、参考にする曲として「ギフト」を選択しました。
とてもスタンダードなポップスの構成で、テンポもゆっくりではなく、かつ英文がないという曲です。

文字数の基準は559個なので、もしイントロサビをつけるなど曲の構成を変えると少し増減するかもしれません。
500〜600文字程度におさまれば良いでしょう。

余談ですが「ミュージック・アワー」だと1,000文字超えてきます。

はじめての作詞

というわけで、前回決めたキーワードのうち前半50個にあたる、「痛み」〜「イメージ」までを使って作詞していきます!
ごりごりの初心者なのでとりあえず検索して出てきたやさしそうなページを参考にします。

「字脚」という言葉はこちらの記事を見てはじめて知りました。

文字数を意識せずまずは文章にする

Googleドキュメントに必須のキーワードを並べたあと、キーワードとキーワードの間を埋めていきます。特定の2つのキーワードだけつないでも、それ以外の前後の流れと合わなくなってしまっては意味のわからない歌詞になってしまいます。
じゃあお前ポルノグラフィティの歌詞の意味を本当にわかってるのかと言われれば「正直意味わからんがただ気持ちいい」みたいなことはよくあります

メロディのことは気にせず、いったん全体の世界観をまとまらせることができるように、文章にしていきます。

この段階で気づいていませんでしたが、必須のキーワードをあらかじめハイライトしておいた方が良かったです。
試行錯誤するうちにうっかりキーワードを削除していたり、キーワード同士の順序が入れ替わってしまったりしたからです。

そのため最初に作ったドキュメントでは、このようにメロディ云々以前にルールを守れていないテキストができあがりました。

喉元過ぎる熱さのように
この痛みも曖昧に消して
薄らぼんやりと過ぎ去ったHard Days

何処にも居場所のない夏
再会を喜び合った束の間に
「さよなら」を言えたら

闇が手招きする地下駐車場
響く足音だけが友で
暗いまなざしを向ければ無数の扉
どれを叩けば君に会える?
どんな恋人がいたらよかった?

震える身体に足りないもの
その姿がない大地を
光が無常に照らし出したりするから
ここが荒野の始まりだと知ってしまった

楽園を目指すStory
一途に積み重ねた最終章の最終行が
僕の絶叫で終わるエピソードなんて
とんだガラクタ掴まされたもんだ
天使がいるなら迎えに来ればいいんだ

繰り返し繰り返し
わざと合わない鍵ばかり捩じ込んで
扉を開けられない少年は僕
本気で追いかけるつもりなのかな
旅立ちまで100年はかかるだろうね

センチメンタルとは程遠い感情で
ただ僕の欲望に逢いたくて歩く
寂しい現世の果てに浮かぶ幻ならば
オアシスと相場が決まってるよな?

肌を駆け巡り傷つける風
佇む女がその手に提げる千代紙のような水瓶が
雨など降らぬと告げている

己の信じたい真実が翼を生やし
ひとっ飛びに未来に行けりゃいいけど
他人の信じたい真実も翼を生やし
歴史とか時代とか呼ばれている

ちぎれた温もりのかけらが
ひとつひとつ塗りつぶされていく
黒い暗雲が頭の中膨れ上がるけど
モンティ・ホールを待つ間に
どんなイメージのまま君を探していられるだろう

ここまで書くのに3〜4時間程度かかりました。

この時点で感じたこと

すでに300曲近くあるポルノグラフィティの楽曲の中から、キーワードが使われている歌詞を持ってくるのはずるいよなあと思いつつ、逆にそれを避けるのも難しすぎます。
それに、あえて入れたいみたいな気持ちもあり、ラバッパーならわかる程度のワードチョイスをした部分もあります。

動画収録でカードを引いていたときのリアルタイムな肌感では、ちょっとネガティブなワードに引っ張られているかな?という気がしていました。
自分が「Fade away」とか「ラック」とか「鉄槌」とかそっちの路線が好きなのもあって、全体的な世界観としてはダークな方に舵を切っています。

そこで扱いに困ったのが「夏」と「恋人」ですね。
正直なところ、決められたワードだけで世界観を作るにあたって、現実感がありすぎる歌詞は難しいので、比喩などを盛り込んで抽象的にしていきたいのですが、「夏」と「恋人」を使ってどう抽象化したものか…悩みました。

さいわい、曲の出だしのほうに続けて登場するので、ここで少し現実感のある情景を描写して、そこからサビに向けて内面の抽象的な世界に移行することにしました。

字脚をカウントしてブロックを決める

歌詞の全体像が見えてきたら、すべてひらがなで打ち直します。
また、文章の流れを意識し、歌う際に区切ったらおかしいところでは区切らないようにして、行をわけていきます。

そしたら、スプレッドシートのLEN関数を使用して文字数をカウントします。

=len(B2)

さらに、「しょうねん」(5文字)や「むじょう」(4文字)は声に出した時の音の数が違うので、横に数字をメモしておきます。

「曖昧」は「あいまい」(4文字)ですが「あい・まい」で2音にすることもできなくもないですね。
また「Hard days」は「はーどでいず」(6文字)ですが、歌うときは「はーでい」のようにしてこれも2音で表現できます。
「ひとっとび」(5文字)も、そのまま5音に乗せることもできるし、「ひと」を短く一音でシュッと発音することもできます。「(ひ)とっとび」みたいな。

このあたりは本来なら作曲と絡めて調整されるので、完全に同じ文字数にすることにはあまりこだわらず、文章として不自然すぎない程度ならOKとします。

それができたら、1コーラスめのBメロと2コーラスめのBメロ、イントロサビとラスサビ、のように、同じメロディが使われる想定のブロック同士を決めます。
先に作ったブロック全体の文字数を出して、近い構成のブロックをペアにしてしまうという方法もとれます。

たとえばこの画像のように、もとは2コーラスめのAメロにしようとしていた部分を、1コーラスめのBメロと合わせてしまいました。
この後に続く歌詞が、この世界の中でさらにもう一歩、別レイヤーの世界になるので、そこをCメロにしようという目論見です。

同じメロディになる箇所が決まったら、字脚が合うように細かいところの表現を調整していきます。
隣のブロックで似たような表現ができそうだな、というところは思い切って行ごと消してしまったり、字脚が足りないところで言い換えをしてボリュームを増やしたりしました。

この時点で感じたこと

もともとテーマが決まっている曲を自由に作詞するのであればいいのですが、使う言葉の種類や順序に縛りがある状態で字脚を合わせる作業は苦労しました。

きっちりきっちり合わせ過ぎても変化の乏しい曲になってしまいそうで、作曲と同時にやれたらな〜!と思いました。
webデザインも、画面のデザインとコーディング同時にやった方がやりやすいし。

そしてキーワードをハイライトしていなかったので、やはりここでも順序を間違えたり、キーワードが抜けたりしてしまいました。
ここでかなりの時間を使ってしまいましたね。

できた歌詞の表記を戻してキーワードチェック

字脚の調整が終わったので、いったん漢字や英字を使った本来の歌詞に戻していきます。
狩歌のキーワードがきちんと順序通りに出現しているか、漏れはないかの最終チェックもします。このときに、キーワードや表現に影響しない範囲でさらに歌詞を調整しました。

たとえば、ラスサビの「己の信じたい真実翼を生やし」と「他人の信じたい真実翼を生やし」について、当初は他人「も」追ってくるような雰囲気をイメージしていたのですが、あとから考えてみるとそれは同時にそこかしこで起こっていて、あるときは己が他人の側でもあり、その他人も他人自身を己だという視点で見ているので、継続ではなく個々に存在するそのふたつがコンフリクトするニュアンスを表現したくて、語感も揃うので「が」に変えました。

全部説明したらキリがないので割愛しますが、こんな感じの細かい変更をしてあります。

この時点で感じたこと

作詞中にずっとうすうす感じてはいたのですが、リストにあるキーワードを登場順よりも先に使うことができないというルール自体はともかくとして、狩歌の残りの50ワードもなんだか使ってはいけないような感覚が自分の頭を支配していました。
「誰」とか「音」とか「日」とか。
気にせず使ったらもっと表現が楽に、ストレートにできたかな?なんて思いました。

完成した歌詞

喉元過ぎていく度にこの痛みも曖昧に消して
過ぎ去るHard Days 何処にもいられない夏
再会を喜び合う束の間に
気が済むまでさよならを言えただろうか

闇が手招く地下街 足音だけが友で
暗い眼差しを向ければ 溢れる無数の扉
どれを叩けば 君に会える?
恋人のように求めている

震える身体に足りないもの
向き合えなかったその姿
光が無常に照らし出したりするから
ここが荒野の始まりだと知ってしまった

楽園を目指したストーリー
一途に辿り積み重ねた最終章の最終行が
僕の絶叫で終わるエピソードだなんて
とんだガラクタ摑まされたもんだ

迎えを待ってもいられない
ひとつひとつ合わない鍵ばかり捩じ込んで
扉開けられない少年は僕
本気で追いかけるつもりなのかな
旅立ちまで100年はかかるだろうね

センチメンタルとは程遠い 僕の欲望に逢いたくて
寂しい現世(うつしよ)の果てに浮かぶ幻は
相場じゃ夢のオアシスだと決まってたよな?

肌を駆け巡るチリチリとした風
佇む女が傷だらけの舌を出している
這いつくばって覗き込んだ水瓶が
雨など降らぬと告げている

己の信じたい真実が翼を生やし
ひとっ飛びに未来に行けりゃいいけど
他人の信じたい真実が翼を生やし
歴史とか時代とか呼ばれてんだ

ちぎれた羽の温もりが
ひとつひとつ塗りつぶされていく
黒い暗雲が頭の中膨れ上がるが
モンティ・ホールが来るのを待つ間
君を探すイメージができるだろうか?

全体の文字数は575文字で、基準としていた範囲内におさまりました!

……

いや長いわ。

文字数自体はギフトと大差ありませんが、漢字が多いので実際の音の数(字脚・音節・モーラ)でいうとけっこう長いです。
でも白日だってあの長い歌詞が4分40秒に収まってるならいけるやろ。おっけーおっけー。作曲する人ががんばってくれたらどうにでもなるやろ。おっけーおっけー。

この調子で100ワードやってたらそれこそ何文字になったんだ…

ちなみにメロディごとのブロックを色分けしたのがこちらです。

AメロBメロなどの区分は、歌詞の内容的になんとなくこんなとこかなと思っただけで、むしろ字脚が合っているからって別に同じメロディにする必要はないんだろうなって思います。
作曲する人ががんb

ここまでの作業でだいたい1日がかりでした。
といっても、途中でフジの鬼滅の刃を観たり猫の世話をしたり昼寝をしたりカレーを食べたりしましたので実質半日くらいでしょうか。
初作詞でルールに縛りがあるのに半日でこれだけできたのがんばったと思うんですえらいですよね?
えらいねー?
ねー(´・ω・)(・ω・`)

俺たちの本当の戦いはこれからだ!

実をいうと、「これで完成!」というのはいささか手抜きと言いますか、突貫工事です。

今はまだ、文字数を揃えただけ。
本来ならこのあとは、言葉のイントネーションとメロディの昇降を合わせたり、同じメロディの歌詞で韻を踏ませたり、もっと技巧的なことをやっていくはずです。
それに余分なところがあちこち削れそうな気もします。

しかし今回はここまでです。

作詞スキルがないのにそこまでやりはじめたら、きっと終わりません。
なんとかして9月22日にこの記事と動画を公開したい
そうなると動画編集とこの記事の執筆でおそらく時間がギリギリなので、まずはちゃんと区切りをつけて完成させることを優先しました。

あとやっぱ絵にしろなんにしろ、作品って「完成させること」が意外と難しくて、途中で飽きたり嫌になって、半端なところでやめてしまいがちなんですよね。
完成度にこだわって何もアウトプットできないより、恥ずかしくても発表していかないと。
見栄張ろうったって初心者はスキルないんですから。
せっかく取り掛かったのだから、まずは「作り終える」ことをだいじにして、お蔵入りにならないように公開したいという気持ちです。

というわけで…

完成しました!!(宣言)

で、ポルノグラフィティっぽい曲になったのか?

おっとっと、作詞が終わったことでなんかすべて終わった気になってしまっていましたが、作詞で苦労したせいで当初の目的を忘れていましたね。
「ポルノグラフィティ狩歌のカードに書かれたキーワードを詰め込んで作詞すればポルノグラフィティっぽい曲ができあがる説」を証明する。

こればっかりは、私がどう言おうと、読んだ人それぞれの中に答えがあると思います。

私から言えることは、できれば作詞の技巧で評価するのではなく「ポルノグラフィティっぽいかどうか」で評価して欲しいということですね…
もしもポルノグラフィティっぽくならなかったのだとしたら、仮説が証明できなかったというだけで、ひとつの結果が導き出されてめでたしめでたしです。
あと私が傷つかなくて済みますからね。

頼むから誰か作曲してくれ。
ポルノグラフィティっぽい感じのやつを、ポルノグラフィティの音域で。
たぶん曲がポルノグラフィティっぽければ、歌詞がラララだけでもポルノグラフィティっぽくなる。

ぜひマシュマロとか動画のコメント欄で感想をお寄せいただければ嬉しいです!

歌詞の解釈について

始める前にテーマを決めていたわけではなく、キーワードを繋げていく中で徐々に自分の中で世界観を作っていったので、なんとなく2021年9月現在の世の中のことが綯い交ぜになったかなという感じがします。

そして、 天気職人社員 on the beach君の愛読書がケルアックだった件サボテンなど枚挙に暇がありませんが、こういったなんやごちゃごちゃ言うとるけど結局のところ主人公なんも行動起こしとらんやんけみたいなのがポルノグラフィティっぽいと思っているので、そういうポルノグラフィティっぽさも目指しました。

タイトルないの?

あっ歌詞を作る方に必死で完全に忘れ去ってました。
なんだろ、タイトル…
そもそもテーマもなかったしな…
私に力があれば…最初から「狩歌」をテーマにして作詞したのですが…
歌詞の解釈にもつながるところなので難しいですね。タイトル。

あと先回りしてこれだけは言っておきますがアル中の歌じゃねーのかと私自身すでにほんのり思っています。

さいごに最新シングルの感想

当初は「最新シングルリリースまでに公開する」というつもりだったのがいつの間にか自分で勘違いしていて「リリース当日に公開」で予約投稿など進めてしまっていたので、せっかくだからリリースされたシングルの感想を軽く触れておきます。

といってもTwitterですでに言っちゃってるんですが、ほんとこれ…

「ポルノグラフィティとしてはすこしあたらしいかんじ」があって、歌詞も曲調も、いかにも新始動という趣なのですが、なんかこう、聴いてる間ずっと「どっかで聴いたことあるわ〜」状態だったので、若干、ミュージカル好きなことを後悔させられました。

ウエストエンドミュージカルにハマってるという発言があってから、そのテイストが取り入れられた新曲がいつか聴けるか!という期待をしていたので、この曲がそうならば嬉しいです。
しかしZombies are standing outフラワーのときのような、期待して期待して「うおおおおぉぉぉポルノグラフィティィィィィィ!!」みたいになったときの高揚感がないのがちょっと寂しい。

ミュージカルに対する既視感という個人的な条件下の想定外のアクシデントなので、それ抜きにしたらマジで待ってたんだよこれを。
ポルノグラフィティとミュージカルが悪魔合体して「今後ともよろしく」って言ってくるとかヤバイ of the era.